BMW 6シリーズは、ドイツの高級車メーカーBMWが作っていたスポーティなクーペ車です。
新車で買うと1,000万円以上もする高級車なのに、中古車市場では意外と安く売られていることがあります。「なぜこんなに安いの?」「買っても大丈夫?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、BMW 6シリーズが安く売られている理由と、この車の良い点・悪い点について、中学生でもわかりやすく説明します。高級車を安く手に入れたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
購入前に知っておくべき大切な情報もお伝えします。
BMW 6シリーズが安い理由とは?
今の時代はSUVが人気でクーペは売れにくい
最近の車市場では、SUV(スポーツ用多目的車)やクロスオーバー車がとても人気です。これらの車は座席が高く、荷物もたくさん積めて、家族みんなで使いやすいからです。一方で、BMW 6シリーズのようなクーペ車は、見た目はカッコいいですが実用性が低いため、買う人が少なくなっています。特に日本では、家族で使える車を選ぶ人が多く、2ドアのスポーツカーは敬遠されがちです。また、若い人たちも昔ほどスポーツカーに興味を持たなくなっているため、需要が下がり、価格も安くなっているのです。
維持するのにお金がかかりすぎる
BMW 6シリーズを持つと、1年間で50万円から70万円もの維持費がかかる場合があります。これは軽自動車の維持費の3倍以上です。具体的には、自動車税が高い、保険料が高額、部品代が高い、専門の整備工場でメンテナンスする必要があるなど、様々な費用がかかります。例えば、タイヤを1本交換するだけで10万円近くかかることもあります。このような高い維持費を考えると、「安く買えても結局お金がかかる」と思って、購入をやめる人が多いのです。
故障が心配で買いたくない人が多い
外国の車は日本の車よりも故障しやすいというイメージが強く、多くの人が購入をためらいます。BMW 6シリーズでも、エンジンの不調、電気系統のトラブル、エアコンの故障などが起きる可能性があります。故障すると修理代が高額になることが多く、部品を取り寄せるのに時間がかかることもあります。「買った後に故障したらどうしよう」という不安があるため、安くても手を出さない人が多いのです。
車体が大きすぎて日本では使いにくい
BMW 6シリーズは全長が5メートルを超える大きな車です。これは日本の道路事情や駐車場事情に合いません。狭い道では運転が大変で、駐車場を探すのも苦労します。また、大きな車は燃費も悪くなりがちで、ガソリン代もかかります。都市部では特に不便なため、実用性を重視する人には選ばれにくく、その結果価格が下がっているのです。
新しいモデルが出て古く感じる
BMWは8シリーズという新しいスポーツカーを復活させ、6シリーズは2019年にクーペとカブリオレが、2023年にはグランツーリスモの生産を終了しました。新しいモデルが出ると、古いモデルの価値は下がるのが一般的です。また、技術の進歩により、新しい車の方が性能や装備が良くなっているため、古い6シリーズは相対的に魅力が下がって見えてしまいます。
BMW 6シリーズってどんな車?特徴を紹介
美しいデザインが一番の魅力
BMW 6シリーズの最大の特徴は、その美しいデザインです。流れるようなクーペのラインと上品なスタイリングで、他のBMW車とは違う華やかさがあります。長いボンネット(エンジンフード)と短いトランク部分のバランスが絶妙で、横から見た時のシルエットがとてもカッコいいです。街中で見かけると、思わず振り返ってしまうような存在感があります。
3つのボディタイプから選べる
6シリーズには用途に応じて3つのタイプがありました。まず「クーペ」は2ドアのスポーティなタイプで、運転の楽しさを重視する人向けです。「カブリオレ」は屋根を開けられるオープンカーで、風を感じながら運転を楽しみたい人にぴったりです。「グランクーペ」は4ドアで後部座席も使いやすく、美しさと実用性を両立したい人におすすめでした。
パワフルなエンジンを搭載
BMW 6シリーズには複数のエンジンが用意されていました。「640i」には3.0リットルの6気筒ターボエンジンが搭載され、最高出力は320馬力です。「650i」には4.4リットルのV8ターボエンジンが搭載され、最高出力は407馬力もあります。「630i」は2.0リットルの4気筒ターボエンジンで、燃費と性能のバランスを取ったモデルです。どのエンジンも力強く、高速道路での加速は爽快です。
BMW 6シリーズのメリット
高級車らしい豪華な内装と装備
BMW 6シリーズの内装は、高級車にふさわしい上質な作りになっています。本革のシートは座り心地がよく、長時間のドライブでも疲れにくいです。最新のナビゲーションシステムやオーディオシステムも標準で装備されており、有名メーカーのハーマンカートンやBang & Olufsenのスピーカーが使われているモデルもあります。シートヒーターやパワーシートなど、快適に過ごすための装備も充実しています。
BMWらしい素晴らしい走り
BMWは「駆け抜ける歓び」をキャッチフレーズにしており、6シリーズもその伝統を受け継いでいます。アクセルを踏むと力強く加速し、ハンドルを切ると思った通りに曲がってくれます。高速道路では安定した走りを見せ、カーブでも車体がふらつくことがありません。運転していて楽しいと感じられる車です。
快適な乗り心地
スポーツカーというと硬い乗り心地を想像するかもしれませんが、6シリーズは高級GT(グランドツーリング)カーとしての快適性も備えています。車内は静かで、路面からの振動もうまく吸収してくれます。長距離を運転しても疲れにくく、家族や友人と一緒のドライブも楽しめます。
新車価格から考えると非常にお得
新車で1,000万円以上していた車が、中古車なら半額以下で買えることがあります。これは高級車を手頃な価格で手に入れる絶好のチャンスです。同じ予算で国産車の新車を買うよりも、はるかに豪華で高性能な車に乗ることができます。ただし、後で説明する維持費のことも考えて判断することが大切です。
BMW 6シリーズのデメリット
後ろの席がとても狭い
BMW 6シリーズの大きな欠点は、後部座席の狭さです。頭上の空間が少なく、大人が座ると窮屈に感じます。足元のスペースも十分ではないため、長時間座るのは大変です。また、2ドアのクーペでは後ろの席に乗り降りするのも一苦労です。家族で使うことを考えている場合は、この点をよく考慮する必要があります。
維持費がとても高い
先ほども触れましたが、年間の維持費が50万円から70万円かかる可能性があります。これは国産車の2〜3倍の金額です。タイヤ交換で40万円、オイル交換で3万円、車検で30万円など、どの作業も高額になりがちです。BMW専門の整備工場でメンテナンスを受ける必要があり、一般的な整備工場では対応できない場合もあります。
燃費があまりよくない
大きくて重い車体のため、燃費はそれほど良くありません。街中での運転では1リットルあたり8〜10キロメートル程度、高速道路でエコモードを使っても15キロメートル程度です。最近の国産車と比べると燃費は劣り、ガソリン代もそれなりにかかります。
故障のリスクがある
BMW 6シリーズでは、いくつかの故障パターンが報告されています。エンジン関連では、バルブステムシールという部品の劣化や、燃料を送るポンプの故障などが起きることがあります。電気系統では、ナビゲーションシステムが固まったり、画面が映らなくなったりするトラブルが報告されています。足回りでは、約8万キロメートル走った頃にサスペンション関連の部品交換が必要になることがあります。
日本では大きすぎて使いにくい
全長が5メートルを超える大型車のため、日本の狭い道路や駐車場では取り回しが大変です。コンビニの駐車場に入らないことや、立体駐車場の高さ制限に引っかかることもあります。また、自宅に駐車するための車庫証明を取得するのも、スペースの関係で難しい場合があります。
中古で買う時に気をつけること
メンテナンス記録をしっかりチェック
中古車を買う時は、過去のメンテナンス記録を必ず確認しましょう。定期的に点検を受けているか、オイル交換やタイヤ交換などの記録があるか、大きな修理をしたことがないかなどをチェックします。記録がしっかりしている車は、大切に扱われていた可能性が高く、今後も安心して乗れる可能性があります。
BMW専門の販売店や整備工場を選ぶ
BMWのような輸入車は、専門知識を持った業者に任せることが重要です。BMW専門の販売店なら、車の状態を正しく判断してくれますし、購入後のアフターサービスも安心です。整備工場も、BMW専門のところを見つけておくと、故障した時に適切な修理を受けられます。
必ず試乗して状態を確認
中古車を買う前は、必ず実際に運転してみましょう。エンジンがスムーズに始動するか、加速は正常か、ハンドルはまっすぐ進むか、変な音や振動がないかなどを確認します。また、エアコンやナビゲーションシステムなどの装備も動作確認しておきましょう。
購入前に考えておくべきこと
年間維持費の予算を確保
車両価格が安くても、年間50万円以上の維持費がかかる可能性があります。車両保険、自動車税、車検代、修理費、ガソリン代などを合計すると相当な金額になります。購入前に年間維持費の予算をしっかり確保できるか検討しましょう。
信頼できる整備工場を見つける
BMWを長く乗るためには、信頼できる整備工場との関係が重要です。購入前に、自宅近くにBMW専門の整備工場があるか調べておきましょう。遠くても技術力の高い工場を見つけておくと安心です。
使用目的を明確にする
BMW 6シリーズは実用性よりも走りの楽しさや所有する喜びを重視した車です。家族の送り迎えや買い物など、日常的に使うメイン車両としては向きません。休日のドライブや趣味の車として使うなど、明確な目的を持って購入することが大切です。
まとめ
BMW 6シリーズが中古車市場で安く売られている理由は、クーペ人気の低下、高額な維持費、故障への不安、車体サイズの大きさ、モデルの古さなど、複数の要因が重なっているためです。しかし、美しいデザイン、高性能エンジン、豪華な内装など、この価格帯では他では味わえない魅力もたくさんあります。購入を検討する場合は、維持費の高さと故障リスクを十分理解し、BMW専門の信頼できる整備工場を確保することが重要です。また、後部座席の狭さや燃費の悪さなど、実用面での制約も理解しておく必要があります。これらの点を踏まえ、趣味の車として割り切って使える方には、高級車の魅力を比較的手頃な価格で楽しめる魅力的な選択肢と言えるでしょう。